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『メロウへッド』解説文
by 保母大三郎
   確かな手触りと不思議な質感。プレイグスの活動休暇から約1年を経て、自身のレーベル“LAVAFLOW”からリリースされる、深沼元昭のソロ・プロジェクト=Mellowheadの『Mellowhead』は、彼のいびつな知性を更に先鋭化させたような高次元アルバムだ。プレイグス時代のロックの爆発力を、CPUを駆使した宅録に置換した……だけでは済まされない、深沼元昭の高いハードル越え。ハイブリッドな野性とでも言うべき古い記憶を呼び覚ますような不思議な音色と、柔軟な遊び心あふれる音色に、誰もが唖然とすることだろう。
 特に今までにはなかった遊び心に注目したい。自由であること、柔軟であることこそ、音楽において一番重要なのだ。そんな基本を思い出させてくれるのが、このアルバムの一番の素晴らしさだと思う。それを色濃く感じさせるのが、テクノ歌謡の金字塔であるツービートの『俺は絶対テクニシャン』+クラフトワークの『電卓』÷温泉マーク時代のYMO=アル中のドナ・サマーといった趣の「ネズミーランド」と、重心低めの昭和枯れすすきグル〜ヴで攻めまくる、A.K.A.ミスター・ユーロビートことマイケル・フォーチュナティ「GIVE ME UP」のカバーだ。ちなみに「GIVE ME UP」はBaBe(懐)のデビュー曲でもあり、今や演歌の歌姫(死語)である長山洋子もカバ〜してILL、80年代ユ〜ロ・クラシックの代表曲のひとつ。聴き手をグイグイ引き込むPSYCHO〜のグル〜ヴと、繊細さと切れ味を増したボーカルとの二律背反。この均衡を巧みに図り、それでいてカッコ良さを失わないのだからスゴイ!としか言い様がない。もはや常人には訳ワカメな規格外のサウンド・メイキング&センスは、奇才・深沼元昭のゴッド・ハンドでしか生まれえないであろう。ココに俺は、常に恥ずかしさと後ろめたさがつきまとう80年代への彼なりの再解釈と毒気に溢れたユーモアを見る。
 本作『Mellowhead』は、そんな隠し味的変態サウンド・メイキングを含みつつも、決して拡散せず、核になる部分の音の密度が濃いのが特徴的だ。時代の移り変わりをしっかり見つめつつも、本質的な部分では変わらないことを選んだ音。決して歪むことのない彼の力強いまっすぐな叫び。それを証明するかのごとく、打ち込みやサンプルによる精緻なトラック作りではあるが、彼特有の寂寥感漂う極めてアナログ的な質感でじっくり聴かせていく。昔からの彼のファンならば、プレイグス時代とは違った開放感を味わえることだろう。また、深田恭子、我那覇美奈、森高千里、キタキマユ、ショコラ、サムシング・エルス、及川光博ら、ここ最近の多岐に渡るプロデュースで培った、トリプルA保証のポップ度が自身のアルバムにも活かされているのが嬉しい。本作でのキタキマユや片寄明人らとのコラボレーションを含め、彼ならではのプロデュース能力の高さ&ミュージシャン・シップの高さを、このアルバムは饒舌に物語っている。それは「ワン&オンリ〜な(死語)」と、ちょうちん記事的な耳タコな形容詞の入り込む隙を与えない強烈なオリジナリティ。こんな素晴らしい音楽が聴けるなんて、手のしわとしわを合わせて幸せです。


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