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『メロウドローム』深沼元昭全曲解説
 アルバム・タイトルは造語。「MELLOWHEAD」「UNTITLED」のときも同じようなことを言っていたと思うけど、今回もまた曲それぞれのイメージを統括したり超えてしまったりするような意味の強いタイトルは付けたくはなかった。意味としては「熟した場」といった感じ。でも、やっぱり、語感です。(「ドローム」という響きから、ある人は「ベロドローム」を、ある人は「ビデオドローム」を連想するかもしれない)この曲解説は、製作過程の途中から少しずつ書き始めた。なるべく作業中のメモを優先させて書いていきたいと思う。なお、「エンプティ・ハンズ」と「加湿器の水」はシングルリリース時に書いているので割愛します。

 レコーディングに関しては今作もほぼ全て自宅のスタジオで行った。比率的には前作「UNTITLED」よりもさらに自分のスタジオでの作業が多くなった。99パーセントといって良い。とはいえ、「執念の箱庭」と言って良い前作に比べると、多彩なゲストのおかげでとても「開かれた」アルバムになった。佐野さんはじめ、片寄君、ミッチー、キタキマユ。もちろん以前からみんな良く知ってるんだけど、素晴らしいアーティスト達をゲストに迎えられたことを改めて嬉しく思う。

 
1. Louder
 イントロダクション的な曲。なんと言われようと自分のスタイルでやるしかない、できれば聴いてくれ、なるべくでかい音で!ということですね。ぶつ切りリズムセクション、予備動作無しの急な展開、フィルター声、一人でアッパーなライブ状態のギターなどのメロウヘッド的な音要素を2分ちょっとに押し込んだメロヘ詰め合わせ。ベースのレコーディングでは腱鞘炎を悪化させた。レコーディング終盤の土壇場で半日かけてベースを練習する羽目になるとは。

2. 滑走路
 2人の距離はものすごく近づいているのに、状況の変化に対する恐れや、以前の決断や、現実的な雑事や、単なる躊躇などで、また離れて行ってしまう…のか?どうなんだ?というような曲。弦楽器類は、この際遅れてもいい!というほどに重いリズムで弾いたつもり。ずっとやってみたかった音像で、無理やり言葉にするとストイックかつメロウな音響AORみたいな感じ。

3. Breathe deeply(feat. 片寄明人)
 以前の共演「コンバーティブル」は僕が歌詞を書いたけど、今回は歌詞に関して、全てを片寄君に任せた。(「下妻物語」の特攻服を預ける場面を思い浮かべていただけるとちょっと近いものがある)果たして、その出来はさすがと言うしかない。「なかなか難しいんだよ」と言いながら、猶に2曲分はある分量の歌詞、それも全てメロディーにハマっているものを送ってきたのには脱帽。それを彼が歌いながら構成して完成させた。思う存分泣き踊って下さい。

4. シアトリカル
 新曲の中ではもっとも初期段階に書いたもので、ライブで最近使用しているG&Lのギターを(正確にはそのサブ。銀ラメではなく色違い)購入した日に出来た曲。もちろん、それを全面的に使用。ベーシックな部分を割とあっさりと録った後に狂気の編集が始まった。こういった音は「まあ、メロディーが、歌が良いことが大事だから」といった欠伸が出そうなほど大人な考えが襲ってこないうちにやってしまわねばならない。「いや、それは正しいんだが、他に、もっと細部に宿る何かが居ちゃいけねえのか?」と血走った目で思うわけです。とはいえ、アルバム中もっともポップなトラックになっています。

5. タイニー・スターマイン
 夏に買ったのに結局できなかった花火を、冬のある日、今から行くぞ!と知らない海岸にやりにいく、という話。「しょうがない」だけで全部終わらせてたまるか、と。歌詞に季節感を出すのはあまり好きではないんだけど、良いストーリーだな、と思ってしまったのでそのまま仕上げた。女声部分は歌詞とだいたいのメロディーを伝えて、最終的な歌い回し、コーラス等はキタキマユに任せた。彼女は歌い方のキャラクターを何種類か持っていると思うんだけど、「この曲にはこれ!」という判断に迷いがない。得点感覚に優れたフォワードみたいな感じである。

6. Folly - @Cote d'Azur(feat. 及川光博)
 「愚行」。「コートダジュール」はミッチーの台詞部分を受けてタイトルに追加した。彼の台詞は原稿も何も無く、ほぼ一発で決めている。ブレイクのタイミングにどの部分が来るかも完璧に構成されていて、その内容の的確さ、時間の使い方のうまさに驚くしか無かった。素晴らしい。アドリブだったのか丸暗記だったのかはわからないけど、多分どっちでもないんだろう。僕のコーラスが分厚い中に彼のメインボーカルが入っているわけだけど、以前から彼の作品のプリプロなどを何度もやっていて、仮のコーラス等で声の混じり具合が良いことが分かっていたので心配は無かった。静かに燃えるトラックにひたすら前のめりな言葉、という感じ。

7. Gold dust
 別れた相手にひたすら恨み節。なぜか英語詞だとこの作風が多いような気がする。英語詞は英語で考えるので、どうしても似たような言い回しが多くなるなあ…。実家で実際に金箔入りを飲んだときに思いついた。原曲は単純なロック+最近自分内ブームのぶつ切りリズムトラック、なアレンジ。久々に汚い音でギターソロが弾けて楽しかった。

8. モーターサイクル・エピタフ
 パーツを盗まれまくってぼろぼろになったバイクに自分の昔の台詞を返された気がする、復活させて、さあ会いに行くぞ!という曲。でも少なくない時間が相手の社会的な立場や内面的な何かを変えたりしてるかもしれない。だとしても確かめたい。という感じ。僕自身、以前の歌詞をみても、10年以上もたつと自分から出て行った言葉であるという感覚が薄く、妙に感心したりすることも多い。セルフ引用部分は12、3年前か…。ひたすらなエイトビート、ピッチの不安定なチェロのサンプル、音がまとめにくいボコーダー、遥か遠くで鳴るドラムス、となかなかミックスが大変だった。

10. 舌打ち
 最初のミニAL「ラハイナ」時期のサンプルコラージュ風の作風を久々にやってみた。「いつかは回想シーンのひとつになって」の部分は後から歌詞を変えた。そのときに全部歌い直したんだけど、もともとのテイクが風邪を引いているときに歌っていて、そっちの方が全然良かった&似せても無駄だったので、結局この部分だけ若干元気な声になっている。と、言わなければ気付かない人もいるかもしれない。雉も鳴かずば撃たれまいに。

11. ブラインドタッチ
 歌のキーが高く、もともと前半に置こうと思っていた曲だけど、最大のハイライト・トラックであり、最もポジティブな響きの楽曲「エンプティ・ハンズ」の前にひと盛り上がり欲しいな、と、この位置に。言うまでもなく引っ越し時期に書いている。わかり易すぎる。実際は同じマンション内で部屋を移動しただけだったんだけど、とにかく窓からの景色は(多少)変わってる!脳内増幅しろ!って感じで書いた。別なアレンジで一度完成させたんだけど、今ひとつ納得がいかなくて全て録り直した。ライブは別アレンジで演奏するかもしれないです。

-Bonus track -
A phantom song naked ver.

「エンプティ・ハンズ」のカップリング候補に…と考えていたんだけど、結局「Another day〜」が先に完成したのでお蔵入りに…なるはずだった。その後ライブ感覚でいろんな楽器を2〜3テイクで録っていったらちょっと葬り去るには惜しい「一人ライブ」バージョンになったので、聴いて下さい。演奏しているのは自分ひとりだけど、このバージョンはライブ・メンバーのアレンジ、音使いあってのもの。彼らとライブをこなすことによって、よりメロウヘッドはメロウヘッドになれたのだ、と思う。



 

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